クランベリー湿原は紅い。 足元ばかり気をつけていると、羽ばたきが遠くから聞こえてくる。かといって空に気を配れば足を掬われる。 正直なところ、私はここが好きじゃない。だけども、空を我が物顔で飛ぶコウモリはもっと好きじゃない。 獲物として見つかる…
ワトガの住民は無機質にガチャガチャ歩いているだけだ。でも夜になれば湿原から蛙の声が聞こえてきたりして、少し賑やかにも思える。 誰かが聞いていたら恥ずかしいと思うけれど、どうせ聞いていてもロボットだけと思えば──蛙の声に併せて適当に弾く弦の音も…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。